2022年10月25日、「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」と題し、世界を繋ぐ!キャリアコラボセミナー第2回が開催されました。
今回、CAREER MARKキャリアコンサルタント林とともにお話いただいたのは、中国・上海在住のキャリアコンサルタント関小百合さんです。お二人が出会ったきっかけはCAREER MARKのイベント。当時上海駐在帯同が決定した小百合さんが参加してくださったことがきっかけで、今回のセミナー開催に繋がりました。
今回のセミナーのテーマは「駐在妻の再就職」。人事と転職エージェントの目線・キャリアコンサルタントの目線・駐在妻の目線からお話し頂きました。
「大丈夫」という楽観的なスタンスだけではなく、現実を見据えた上でどうしたらいいのか考えることを大切にしている点が似ているというお二人が、駐在妻の気持ちを理解しているからこそ、伝えたいリアルな現状を熱く語ってくださいました。
セミナーは、世界各国から90名近くの方々にご参加いただきました。多くの方に興味を持っていただいた今回のセミナーの開催レポートを2回に分けてお届けいたします。
【登壇者】
国家資格キャリアコンサルタント/育休後アドバイザー
リクルートキャリアコンサルティングで法人営業を経験。社内表彰では年間MVP3回他27回以上受賞。また社内でワーキングママ初の年間優秀賞を受賞。その後、2021年フリーランスとしてキャリアコンサルタント&法人研修講師として独立。ワーキングマザー向けキャリア講座“キャリア戦略カレッジ”共同代表。2022年4月より中国・上海に駐在帯同し、現在は“キャリアカフェ上海”のスタッフとしての活動やボランティアイベントの開催を行っている。
CAREER MARK キャリアコンサルタント
IT企業にて10年以上、採用・人材開発に携わる。2015年、夫のイギリス赴任に帯同するため退職。イギリスではキャリアワークショップを多数開催し、キャリアカウンセリングやコーチングを通して女性のキャリア支援を行う。イギリス帯同中にCAREER MARK参画。2019年に本帰国、再び企業にて採用や人材開発に携わり、管理職も経験。その後再び40代での転職活動を経て、現在は新たなフィールドで採用や人材開発に携わりながら、CAREER MARKでのキャリア支援を行う。
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※CAREER MARKについてはこちら
駐在妻は再就職に不利かどうか
“駐在妻だから不利”ということはない
再就職支援の際によく聞かれる「駐在妻って再就職に不利ですか?」という質問に対して、小百合さん・林ともに「一概に不利とは言えない」と口を揃えます。
そもそも“駐在妻”というカテゴリー自体、転職市場には存在しないそうです。「駐在帯同されている方が自ら“駐在妻”というカテゴリーを作り、“駐在妻だから自分はだめ”と判断してしまっていることがもったいないし、それ自体が不利なわけではないから意識し過ぎない方がいい」とのアドバイスに参加者の表情も少し明るくなったように感じました。
大事なのはどんな働き方を本当にしたいのか
ただ、不利な転職市場が明確にあることも事実。
林からは「転職活動は戦いのようなもので、1つのポジションをみんなで争います。例えば日系大手企業だと、元駐在員や20代の男性がライバルになる場合も。その時にライバルの条件が“転勤OK、海外駐在OK、残業OK”だと、もと駐在妻の女性が採用されるのが難しい場合も多いのは事実です」と転職事情の厳しい現実が語られます。
ここで大事なのは“自分がどのような働き方を本当にしたいのか”と立ち止まって考えてみること。
「前職と同じ年収、もしくはそれ以上のところで働きたいのか、ワークライフバランスを重視したいのか。バランスはライフステージによって変わってきます。優先順位についてまずは考えてみてほしいです。」
小百合さんのメッセージが胸に刺さります。
女性の再就職の最新動向
女性の転職市場は追い風
「転職市場の風向きは全体的に良くなってきている」とお二人はお話しくださいました。最近ではリモートワークが進んだことによって、上手に時間を使い仕事することが可能になってきています。また「女性活躍」や「女性の管理職」という言葉もよく耳にします。全てが重なって女性の転職市場は追い風だそうです。
35歳の壁
また、お二人が同意していたのが転職市場における“35歳の壁”がここ数年でなくなったということ。
林は「3年前に帰国した時と今とでは転職市場が全然違うと感じる」と話してくださいました。小百合さんも、50代・60代の転職支援をした経験があり、実際に転職されていく人々をみて、同様のことを感じたとおっしゃっています。「職務経歴書をちゃんと書き込むことで年齢に関わらず転職はできるのだ」と力強くお答えくださいました。
そもそも“35歳の壁”とは、企業側がその壁を取り払えていないから存在する言葉で、ただその壁を乗り越えるだけのスキルがあり、それを伝えることができれば乗り越えることができるそうです。しかしそれと同時に、「“35歳”という年齢に拘っている会社でそもそも働きたいのか、を考えてみてほしい」とのお話もいただきました。確かに、働き始めた後に自分が辛いと思うような環境にならないかをしっかり見極めることも大事だと感じました。
役に立つスキルとは?
スキルでいうと「女性の管理職」を探している企業ではマネジメントスキルを持っている女性を積極的に求めている傾向にあります。ですので「マネジメント、または実際に管理職でなくともプロジェクトリーダーや主任など、何かしら経験されたことがある方はぜひ職務経歴書に書いてください」とのことでした。
それ以外にも帯同中にプロボノやボランティア等をされている方がいらっしゃったらその経験も積極的に職務経歴書に書いていくべきだそうです。「自分で『これは役に立たないから』『私事なので』と言って書かないことが1番もったいない」との言葉がとても印象的でした。
いま働き方や労働市場は大きく変わってきています。自分がどこまで拘って優先順位を精査して会社を選んでいくかで転職活動の幅も広がってきます。今回のお話をもとに自分にとっての優先順位について考え直し、転職活動に活かしていきたいと思いました。
以上、「駐在妻の再就職リアル 人事・転職エージェントの裏話」キャリアコラボセミナーレポート前編をお届けしました。働きたい駐在妻にとって気になるテーマ「本帰国後の再就職」について、とても貴重なリアル話が満載だったかと思います。
次回後編は「3ヶ月後に本帰国!?今からやっておきたい準備について」「応募書類のブランクの書き方」についてレポートさせていただきます!
お知らせ
⌘本セミナーのアフタートークとして、小百合さん、林両名でインスタライブを行いました!
セミナーを通じて感じたこと・考えたことや、セミナー内で答えられなかった質問にお答えしています。CAREER MARKのInstagramで視聴できますので、セミナーに参加されなかった方もぜひご覧ください。
https://www.instagram.com/p/Cgi7NTBKdRC/
⌘今回ご登壇いただきましたさゆりさんの公式LINEアカウントは画像のQRからご登録ください。
⌘第2回コラボセミナーレポート後編はこちら
⌘第1回のコラボセミナーのレポートはこちら
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⌘次回イベントは1月開催予定!
「職務経歴書を作るうえでのFirstStep・ポータブルスキルの棚卸しセミナー(仮)」を2023年1月に予定しております。皆さんのキャリアの棚卸しに役立つ内容です。是非ご参加ください。詳細が決まりましたらご案内いたしますので、Instagram/Facebookのフォローをお願いいたします。
文・CAREER MARK インターン6期 杉野理央/小塩奈緒