CAREER MARK公式ブログ

駐妻キャリア支援CAREER MARKのブログです。 駐在妻・もと駐在妻の人材紹介を通して「また働きたい駐在妻」と 「もっと成長したい企業」をつなぎ、 ブランクがあってもまたチカラを発揮できる社会を目指しています。 駐在妻の再就職インタビューやキャリアセミナーレポートなどを掲載中!

強みを見出すキャリアの棚卸しワークショップ ~再就職活動の第一歩を踏み出してみよう~

2023年1月31日、強みを見出すキャリアの棚卸しワークショップが開催されました。

今回、CAREER MARKキャリアコンサルタント林とともにワークショップを進めていただいたのは、中国・上海在住のキャリアコンサルタント関小百合さんです。

お二人には以前、「駐在妻の再就職リアル 人事・転職エージェントの裏話」と題し、「世界を繋ぐ!キャリアコラボセミナー第2回」も開催いただきました。

 

blog.careermark.net

 

毎回多くの方にご視聴いただいているお二人のイベント。今回はそんなお二人と一緒に、課題シートを通して「自分の強みを見出すこと」を目的としたワークショップを実施しました。

再就職活動の第一歩として開催された今回のワークショップについて、レポートをお届けいたします。



 

 

【登壇者】

関小百合さん

国家資格キャリアコンサルタント/育休後アドバイザー

リクルートキャリアコンサルティングで法人営業を経験。社内表彰では年間MVP3回他27回以上受賞。また社内でワーキングママ初の年間優秀賞を受賞。その後、2021年フリーランスとしてキャリアコンサルタント&法人研修講師として独立。ワーキングマザー向けキャリア講座“キャリア戦略カレッジ”共同代表。2022年4月より中国・上海に駐在帯同し、現在は“キャリアカフェ上海”のスタッフとしての活動やボランティアイベントの開催を行っている。

 

林眞帆

CAREER MARK キャリアコンサルタント

IT企業にて10年以上、採用・人材開発に携わる。2015年、夫のイギリス赴任に帯同するため退職。イギリスではキャリアワークショップを多数開催し、キャリアカウンセリングやコーチングを通して女性のキャリア支援を行う。イギリス帯同中にCAREER MARK参画。2019年に本帰国、再び企業にて採用や人材開発に携わり、管理職も経験。その後再び40代での転職活動を経て、現在は新たなフィールドで採用や人材開発に携わりながら、CAREER MARKでのキャリア支援を行う。

 

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※CAREER MARKについてはこちら

 

はじめに

「あなたの“強み”はなんですか?」という問いかけから始まった今回のワークショップ。再就職の面接で必ずと言ってもいいほど聞かれるこの質問に、皆さんはどのように答えますか?

ぜひ「自分の強みはなんだろう」と考えながら、今回の開催レポートを読んでみてください。

まずは「強み」について理解しよう!

「“私なんて”という言葉から卒業してください」

グループワークを始める前にまず、今回のテーマでもある「強み」についての説明がありました。

強みは「自分軸の強み」と「他人軸の強み」の2つに分けることができるそうです。自分軸の強みとは経験から身につけ「できるようになった」こと、他人軸の強みとは他の人と比べて少し「得意」だと思うこと。

どちらの強みも普段の生活において自然と発揮されているので、自分では気づきにくいのが難点だそうです。そのため、「自分のことを過小評価しがちな人が多い」と小百合さん。続けて、「“私なんて何もできない”“私なんて他の人と比べたら”のように、“私なんて”という言葉を使っても誰も幸せになりません!今日から使うのはやめましょう!」というアドバイスをいただきました。普段の自分を見つめ直すと、背筋が伸びる思いです。

できないことを想像し「私なんて」という発言をするのではなく、できることを想像し「私にはこれができる」と前向きな発言をすることで、周りの人にもポジティブな印象を与えることができ、再就職活動にも役立つそうです。

強みを知るメリット

では自分の強みを知るメリットはなんでしょうか。

それは弱みを潰すのではなく、自分の強みを伸ばすことに注力ができるです。ではここで実際に想像してみましょう。

弱みを克服する努力はなかなか進まないのに、強みのブラッシュアップは比較的容易に進めることができた、という経験はないでしょうか。

この点からわかるように、弱みを潰して良い方向に持っていくよりも、「できるようになったこと・得意」に焦点をあて、強みを伸ばしていく方がプラスになりやすい、と言われているそうです。

さらに、強みを知り、伸ばしていくことで

  • 自信を持った行動ができる
  • 再就職のチャンスを広げられる
  • 組織でより活躍できる

といったメリットもあります。

強みを知る中で大事なのは持ち運び可能な「ポータブルスキル」

スキルには「ヒューマンスキル・ポータブルスキル・テクニカルスキル」と大きく分けて3つあります。

この中には、コミュニケーション能力や企画力・実行力のように、誰もが本質的に持っていて、なおかつ比較的容易に伸ばすことができるスキルがあるそうです。それがポータブルスキル。

ポータブルスキルは、業種や職種が変わっても「持ち運びが可能な能力」なので、職場でも評価されることが多いそう。また、仕事以外でも発揮されていることがあるため、「自分の強みは何か?」と考えるときにまず注目すべきスキルなんだそうです。

「資格などがないことに焦らず、まずはポータブルスキルに注目し、それを帯同期間中に伸ばすことも大事ですよ」と林から心強い一言もありました。

自分では気づきにくい「強み」を知るワークショップ

参加者が期待していることは?

「強み」について理解した後はグループワークが実施されました。

まずは参加者全員の自己紹介が行われ、「今回のワークショップで期待すること」を発表。挙げられたのは

  • やる意識はあってもやれていなかった棚卸しをこのワークショップを機にスタートさせ、やり続ける原動力にしたい
  • 過去の経験を振り返ることでそれをお守り代わりにし、安心して今後を過ごしたい
  • 何も考えずにがむしゃらに頑張ってきた期間を棚卸しして整理したい
  • 職務経歴書を完成させたい
  • 振り返る歴史が長すぎて、どこを選抜すればいいのかわからないのでワークショップを通して決めていきたい
  • 強みをいま知ることで、残りの帯同期間中に強みを活かした活動をしていきたい

などです。棚卸しの必要性は感じているもののなかなか手をつけられない方、どのようにスタートすればいいのか、どうやって整理していけばいいのか悩んでいる方が多いようですね。

参加者の方も話を聞きながら、それぞれの発言に強く頷いている方が多く見られたのが印象的でした。

事前課題とグループワークを通して見えてくるもの

ワークショップには5つの事前課題がありました。今回はその課題をベースに、「自分の強みは何か」を見つけ出すグループワークを、少人数のブレイクルームに別れて実施。

自分の経験を整理する時間、それをプレゼンする時間、聞き手からのフィードバックの時間やフィードバックを受けてみての感想をシェアする時間がしっかり確保されており、参加者の方にも大変好評でした。

事前課題をするだけでも自分の強みをブラッシュアップできたように思っていましたが、グループワークをすることでより理解が深まり、自信につながったように思います。

また同じグループの方からフィードバックをもらうことによって、自分では気づいていない強みを知ることができたのも良い点でした。

特に印象的だったグループワーク

「海外滞在期間の振り返り」というテーマのグループワークがあったこと、これが特に印象的でした。駐在帯同をしているなかで海外生活で頑張ったと思う経験、変わることができたと思う経験を深掘りしていきます。

その経験は、「プロジェクトを立ち上げた」「成績を残した」など大きなものでなくても大丈夫。「現地でどのように友達を作ったのか」や「どのように現地の情報を収集していたのか」など身近なことでいいそうです。この「自分では何気ないことだと思っている経験」こそが実は強みである場合も多いそう。

「職場とプライベートだと環境が違うので発揮されるスキルも当然違ってきます。ただ、海外滞在期間で発揮しているスキルを職場だった場合ならどうやって発揮できるのか、と考えてみることが大事」との言葉に納得する方も多かったようです。

この「海外滞在期間の振り返り」というワークの後に行った別のワークも大変魅力的で、多くの方に「今後の再就職活動の参考になった」「海外生活時に何を意識して生活すればいいのか考えることができた」というお声をいただいております。このレポートでもそのワークの内容を詳しくお伝えしたいほどです!

ワークショップを終えて

「もう終わりの時間?!もっと話を聞きたい!」と思わず呟いてしまうほど濃い内容だった今回のワークショップ。

グループワークでは、話し手は決められた短い時間の中で強みを話すことで面接の練習に、聞き手は話を聞きながらフィードバックを考えることで面接官の観点を考える練習になるという利点があるそうです。

話し手にとっても聞き手にとっても無駄な時間が全くなく、とても貴重な時間を過ごすことができたことに感謝の気持ちでいっぱいです。

 

ワークショップの最後には、事前に寄せられた質問にも丁寧に答えてくださいました。そこにも熱いメッセージがたくさんあり、短時間に得られた情報は両手では収まりきらないほどの量!

参加された方も、ワークショップを通して緊張がほぐれ、笑顔と安堵の表情に溢れているように感じました。

あとがき

自分の強みについて考える時、「こんなことは誰にでもできる」「ありきたりだ」と思い悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ワークショップでは誰かに話し、フィードバックをもらうことで「ありきたりだと思っていた経験が本当は私の強みなんだ」と気付かされる場面がたくさんありました。一つ一つの経験にそれぞれの想いや考え方があるからこそ、強みがない人なんていないはず。ぜひ自分の経験の棚卸しをし、誰かにシェアしてみてください。今まで見えてこなかった自分の強みに気づくことができるはずです。

お知らせ

今回登壇いただきましたさゆりさんの公式LINEアカウントはこちら

ご興味ある方はぜひご登録ください。

CAREER MARKの1on1キャリアサポート

CAREER MARKでは皆さまの「気づき」のお手伝いをする、1on1キャリアサポートがあります。キャリアコンサルタント・キャリアメンターは全員が駐在帯同経験者。海外経験も活かしたキャリアの再設計=「キャリア・ブランディング」をサポートします。

一人で悩んでいる方はぜひお申し込みください。

 

今回のイベントに参加された方には、特別価格で上記の「セミナーフォローアップ」にお申し込みいただける特典が付いております。ぜひご利用ください!

 

文・CAREER MARK インターン6期 杉野理央

 

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駐在妻の税金のハテナ「海外からのリモートワークによる業務委託報酬について」

 

こんにちは!税理士の加藤朋子です。
私は2020年から2年あまりタイのバンコクに駐在帯同していましたが、その前は日本で15年間、税理士として勤務していました。

日本にいた時から海外に住む日本人からの税務相談を多く受けていましたが、CAREER MARKに集まる駐在妻の方々とのお話の中で最近こんな疑問をよく聞きます。

駐在帯同しても、海外からリモートで働きたい。
今日はこの税金のハテナについて、皆さんと考えたいと思います。

質問

「私は来月からパートナーの海外赴任の帯同のためにA国に居住する予定の日本人です。A国に住みながら、日本の企業X社からフルリモートによる業務委託を受けたいと思っています。この業務委託報酬について私の税金はどのようになりますか?」

この質問へのお答えのポイントは3点です。

ポイント

 

日本の所得税はかかるのか?

(1) 居住者・非居住者とは?

日本の所得税法では、その人が日本の居住者か非居住者かによって課税の範囲が変わってきます。居住者とは日本に住所、あるいは1年以上居所*1がある人*2、非居住者とはそれ以外の人*3のことをいいます。来月からA国で暮らすこの質問者さんは、日本の非居住者になりますね。住民票の有無で居住者か非居住者かを判断するのでは?という話を聞きますが、所得税法では住民票の有無だけでは判断しません。その人の生活の本拠地が日本にあるのかどうかで判断します。
では非居住者が日本の企業から業務委託報酬を貰った場合に、日本の所得税はかかるのでしょうか?

 

(2) 原則的な取扱い

非居住者は日本の国内で役務提供したことによって貰う報酬に対して所得税が課されます*4。この質問者さんはA国でリモートワークをしていて、日本の国内で役務提供していないため原則的には日本で所得税は課されません。
日本の銀行振込で報酬が支払われるけれど、それでも所得税は差し引かれないの?という質問も一緒によく頂きますが報酬の支払地は影響しません。どこで役務提供したのかがポイントになるのです。


(3) 例外的に日本で所得税がかかる場合

原則的には(2)の通り日本で所得税はかかりませんが、もし質問者さんが日本に事務所や事業所等の恒久的施設*5を持っている場合に日本でも所得税がかかる場合があります*6。その他、日本の企業に対して行う役務提供の内容によって所得税がかかる場合があるため、詳細については税理士等の専門家に確認することがおすすめです。


(4) 租税条約の内容も確認

上記(1)~(3)は日本の所得税法で定められている内容ですが、この他に日本は色々な国と租税条約を締結しています。租税条約とは日本と異なる規定を置いている外国との二重課税を防止すること等を目的にした租税に関する二国間の取り決めのことをいい、日本が締結した租税条約が所得税法に定める内容と異なる場合には租税条約の内容が優先して適用されます。*7今回の質問では基本的に所得税法で定める内容は各国との租税条約に沿った内容になっていますが、租税条約の内容を見て所得税法に定める内容と相違がないか確認すると安心です。

 

A国の所得税はかかるのか?

では質問者さんが住んでいるA国ではどうでしょうか?これはA国の法令によりますが、原則的にはかかると思っていた方が良いです。

業務委託報酬への課税については、各国がそれぞれ課税される要件について法令で定められていて、その内容は様々です。色々な国の情報を聞きますが、多くが自国の居住者が自国で役務提供している場合には、日本の企業から支払われる報酬であっても課税する内容になっています。

居住国の税金のルールについては、自力で調べるのが本当に難しい!インターネットで調べても既に改正されて古い内容になっていたり、そもそも詳しい情報が見つからないことも多いです。現地の専門家に最新の情報を確認するのが確実です。

 

その他の注意点は?

ここまで税金について書きましたが、他にも

  • 帯同先の国のビザ
  • 社会保険 

などのルールも考慮しながら手続きを進めていくことになります。またパートナーの会社の規則で配偶者の現地での就労を認めていない場合も。このような税金以外の点も海外でリモートワークをする場合の要チェックポイントになります。

 

 

まとめ

今回はCAREER MARKに集まる駐在妻さんから最近多く頂いた質問について考えてみました。

海外からのフルリモート勤務は、居住国のビザやパートナーの会社のルールで、リモートワークによる就労が可能な人が前提になり、残念ながら誰でも可能な訳ではありません。色々検討事項が多いリモートワークですが、それでも1つ1つクリアして「無事にスタートしましたよ!」という話も聞こえてくるようになりました。これは海外帯同中にも働きたい方に嬉しいニュース。2023年は嬉しいニュース、ワクワクするニュースがもっと増えますように!

 

 

プロフィール

加藤 朋子(かとう ともこ)
税理士
2005年に税理士試験に合格
都内税理士法人で富裕層に対する相続対策、相続税・所得税の申告など、個人に関する税務サービスを提供。
特に海外在住者や海外に資産を持つ個人の税務コンサルティングに注力、国を跨いだ国際相続案件にも従事。

2020年12月からタイのバンコクに駐在帯同、
2023年1月に日本に本帰国しました!
記事についてのお問合せ・税金についてのご相談は加藤朋子税理士事務所まで
(tomoko.kato64@gmail.com)

 

 

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◆本文脚注◆

*1:居所とは、その人の住所には至らないものの、その人が現実に居住している場所をいう。

*2:所得税法2条1項3号

*3:所得税法2条1項5号

*4: 所得税法161条1項12号、所得税法第7条1項3号

*5: 所得税法2条1項8号の4

*6:所得税法161条1項1号

*7:憲法98条、所得税法162条

オンライン企業訪問 Awesome Ars Academia様


2022年11月15日、オンライン企業訪問が開催されました。
オンライン企業訪問は、いざ「再就職しよう!」と思った時に、

  • やりたい仕事がわからない…
  • どんな企業を選べばいいかわからない…

と感じておられる駐在妻やもと駐在妻の皆さんに、企業の事業内容や求人情報をわかりやすくお伝えして、企業にご紹介したい、という想いから立ち上げられたオンラインセミナーです。

 

ご紹介する企業様は、

  • 駐在帯同期間を人間力を高めた期間ととらえ、
  • もと駐在妻のスキルと意欲を評価してくださり、
  • 時間ではなく成果による評価を重視し、
  • 柔軟な働き方にご理解のある

そんな、CAREER MARKが自信をもってオススメする企業様です。

 

今回は、株式会社 Awesome Ars Academia 様 

海外からも働ける求人情報をお届けする、という事前の告知もあり、開催前から多くの方に興味を持っていただいた今回のセミナー。当日は代表の西出大介様をお迎えして、企業概要や理念、求人情報についてのお話を伺いました。その開催レポートをお届けします。

私は、今回が初めてのオンライン企業訪問参加で、どんなお話が聞けるのか大変楽しみでした。実際、画面越しなのにこんなに想いが伝わってくるものなのかと驚くほど、西出様のメッセージが心に響きました。そして、駐在妻を「同じ未来を目指す仲間」と表現して、採用しようとしてくださるAwesome Ars Academia 様のファンになりました。

自分一人の情報収集だけでは出会えないであろう、素敵な企業様との出会いがここにあります。

第1部:会社紹介

株式会社 Awesome Ars Academia 様
→スクール資料はこちらから

世界とつながる学びを子どもたちへ
―地球人として、自分の人生の意思決定をし、世界の課題を自分の力で変えていける人に―

 

まずAwesome Ars Academia様とは、どのような事業をされている会社なのでしょうか。
「現在の事業を一言で言えば、現役外国人エンジニアからオンラインで英語でプログラミングを学べる会社です。」
これは、エンジニアでありながら教育についても深く学び、教育学にて修士号を取得された西出様が感じる、日本の教育現場への課題に対する一つの解決策でもあります。

「日本の学校では、専門性が高い教育を専門家から学べないという現状があります。一部の学校を除き、専門家ではない担任の教師が、多くの教科の概要を把握して教える。これはインターネットが発達し世界中に簡単にアクセスできる今の時代において、非常に残念な方法なのではないでしょうか」と、西出様は問題を提起します。“今のIT社会だからできることをやりたい”という教育に対する想いが、世界の専門家から英語で直接学ぶ、というスタイルにつながっています。

 

サービスの特徴は、以下の3つです。

  • 外国人エンジニアから学べる
  • 質の高いプログラミング学習が可能
  • 実践的な英語力が向上する

小学校・中学校・高校と開講コースがあり、継続的にステップアップをしていけるようなカリキュラムになっています。これは会社が運営するスクールのミッションに繋がります。
「世界と自らの目線で向き合い、世界の課題を自分ごととし、自ら世界に価値創造を行うことができる人」を育成すること。
西出様はその想いを熱く語ってくださいました。

「”世界共通語の一つである英語のスキル”と”課題解決能力としてのITスキル”を身につけられる場の提供を通じ、自身の未来、地球の未来、人類の未来を切り拓くことのできる若者の成長を支援したい。
そこで、このビジョンを一緒に考えてくれる仲間を考えた時に、既に海外というフィールドにいて、実際に子育てをしている親御さんたちの存在に気が付きました。そういう人達が会社に入ってくれることで、会社自体が世界の縮図になれるんじゃないか。海外駐在されている親御さんたちは真剣に子ども達の未来を考えられる仲間として、非常に親和性が高いと感じます。」

子ども達と世界の未来を見据えたビジョンに、気持ちが高まります。海外駐在で実際に子育てをしている駐在妻との親和性から今回のオンライン企業訪問開催に繋がったという背景が見えてきました。


第2部:対談 

Awesome Ars Academia 代表  西出大介様
CAREER MARK 共同代表  三好怜子
CAREER MARK キャリアコンサルタント 林眞帆

対談の中では、プログラミング教育の重要性、駐在妻を採用しようと考える理由、仕事の様子や働き方などについて、掘り下げた活発なやりとりが交わされました。

 

駐在妻を採用したい理由

  • 海外で生活・子育てをしたことがある駐在妻だからこそ、「世界に通用する人材の育成」を謳った事業に、当事者として理解と親和性がある
  • 英語とITに興味のある駐在家庭は会社事業のコアターゲットでもある。ユーザーとしての目線をもって働いてもらうことができる

働き方はとてもフレキシブル!!

  • 業務委託契約で、世界中どこにいてもフルリモートで業務可能
  • 一か月の業務時間は30時間~60時間程度
  • 定期的なオンラインミーティングとSlackで情報共有

業務の進め方のイメージ

  • タスクを与えられるのではなく、自分で考えてアクションを起こしていく
  • 会社の長期のゴールに向って自分で必要な目標とタスクを決めて、その目標達成や課題解決のために、適宜チームと相談しながら仕事を進めていく

また、Awesome Ars Academia様で実際に働かれている駐在妻の方からのメッセージもありました。私達に伝えたい想いが心に響きましたのでそのまま紹介させていただきます!

Awesome Ars Academia は、

IT × 英語で未来の子どもの成長を本気で支援し、

最高の未来をつくろうとしています。

海外どこにいても働ける環境があります!

弊社のビジョンや世界観に共感いただいた方、

そしてフットワーク軽く自分の枠を広げ挑戦してみたいという方、

是非一緒に働きましょう

私達駐在妻への応援メッセージでもありますね。
では、具体的に今回の採用ではどのような人が求められているのでしょう。


第3部:求人のご案内

求めているのは、共に未来を考えて自主的にアクションを起こせる人!
リターンシップ制度もあり!

求める人材像に関しては、細かなスキルよりもまず大切にしていることがあると西出様はおっしゃいます。グローバル化する社会の中で親として自分の考えを持って子育てをしていること、そして、何に価値があるのか分からない今の世の中で自ら価値を考え、生み出していける人であること。その上で、会社として求める具体的なポジションを複数ご提示いただきました。

  • 今回はリターンシップ制度を採用しています!

CAREER MARKのリターンシップは、企業と応募者のお互いが相性を確認したうえで、正式採用するかどうかを決められるサービスです。リターンシップ期間中に基礎的なITスキルの研修やOJTなどを通じて双方のマッチ度を測ることができます。
今回は約1か月のリターンシップの制度があります。
リターンシップの制度があることで、より安心して就業にチャレンジしやすくなりますね!

最後には、質疑応答とCAREER MARKの紹介があり、充実した1時間があっという間に終了しました。
CAREER MARKのHPはこちらから)

 

あとがき

この不思議な高揚感を何と表現したらいいのでしょうか。代表の西出様の想いが熱く伝わります!「世界と自らの目線で向き合い、世界の課題を自分ごととし、自ら世界に価値創造を行うことができる人を育成したい。」そのビジョンに同じ未来を考える仲間として駐在妻を位置づけていただける。そんな素敵な企業様に出会えて、こんなにワクワクしながら再就職について考えることができるとは驚きです。

CAREER MARKキャリアコンサルタント 小橋が最後にこの高揚感を言語化してくれました。「自分自身でキャリアを切り開く意識の高い人が多いのが駐在妻の皆さんです。これまでの経験や視点を活かせるということでワクワクした人が多かったのではないでしょうか?」
はい、ワクワクします!そして、駐在帯同経験を評価していただけた嬉しさと、今回のお話のように自分が輝いて働ける就職先との出会いが他にもきっとある、という期待を感じます。

今回のセミナーに参加して、CAREER MARKだからこその求人情報に出会えることがよく分かりました。今後のオンライン企業訪問の開催も楽しみです!

開催の詳細が決まりましたらご案内いたしますので、Instagram/Facebookのフォローをお願いいたします。

既に今回の募集は終了していますが、Awesome Ars Academia様の活動に興味を持たれた方は、是非定期的に開催されている学校説明会をチェックしてみてください。どのような考えを持ってどのような教育事業を運営されているか、代表の西出様からサービスについて詳しく紹介されているそうです!
→学校説明会情報はこちらから
英語で学ぶ子ども向けプログラミングスクールについても詳しく紹介されています!


就業に向けて具体的に動いてみたくなった!そう感じられた方は、是非CAREER MARKのサービスをご利用ください。何から始めたらいいのかわからないという方も、その後のあなたに合った企業様とのマッチングまで、駐在帯同経験のあるキャリアコンサルタント・キャリアメンターが丁寧にサポートいたします。

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文・CAREER MARK インターン6期 金井塚 希映

渡航前の仕事も、帯同中の活動も、すべてが今につながっている

もと駐在妻の再就職リアルストーリーVol.7(後編)

パートナーの海外駐在によって仕事をやめて日本を離れた女性たち。「駐在妻」と呼ばれる彼女たちのなかには、帰国後にまた仕事に戻る方もたくさんいます。

今回は、駐在帯同中に就業し、様々な葛藤を経て帰国後に希望の業務で再就職をしたある方のリアルストーリーをご紹介します。帯同中に働くことのやりがいや苦労、帰国してからの転職市場での評価など、貴重なお話をたくさん伺いました。


❖リアルストーリーVol.7前編
「家事・育児以外の「何かある」が私には必要」はこちら

 



Iさんプロフィール
2005年 大手通信会社に入社、流通事業部にてPC商材のルート営業、営業企画を担当
2008年 大手教育系出版社に転職、通信教育教材のマーケティング・営業を担当
2018年9月 台湾駐在帯同のため退職
2020年8月 戦略人事コンサルティング会社で業務委託開始
2022年3月帰国 
同年9月スモールビジネス向けのクラウドソフトウェア会社にマーケティング担当として入社

 

もと駐在妻の再就職活動の壁とは

——帰国後の再就職についてお聞かせください。「帯同中に働けば帰国後の再就職はスムーズに進むのでは?」と考える方も多いと思いますが、再就職に向けた活動では苦労したこともあったそうですね。

 

Iさん(以下、敬称略):当初、企業に応募しても書類選考が全然通らなかったんです。帯同中は正社員ではなく「業務委託」という働き方だったので、一度正社員を辞めてしまうとこんなにも社会からの評価が下がるんだ、自分には市場価値がないのかと、かなり落ち込みました。

たとえば人気の求人ポジションがあったとして、「フルタイムで正社員として働いている方」と「業務委託でパートタイムの私」からの応募が重なったら、そりゃあ私は通らないよなと転職市場の現実の厳しさを感じました。人材エージェントの方に「人気の会社にばかり応募していませんか?関心の低い会社にも応募を広げてみませんか?」と言われ、他にも応募してみたのですが、それでも書類が通らなくて落ち込んだりもしました。

渡航前の職場とも関係は良好だったので、「戻ってこないの?」というお声がけもいただいたのですが、この先のキャリアを考えた時に、戻らない選択肢も視野に入れたいと思っていました。これまで身に付けたスキルが他の会社でも再現性があるもの、普遍的なものとして自分の軸にしていけるレベルなのか、環境を変えることで見えてくることもある。だからこそ、新たな会社に挑戦してみたいという気持ちがあって。でも・・・新しい環境を探そうとするとこんなにも壁があるのかと厳しい現実を知りました。

 

——書類選考すら通らなくて辛い期間もあったのですね。再就職に向けて知っておいた方がよかったなと思うことは何かありますか?

 

I:個人的な意見ですが、大手の人材紹介会社にお願いしていると大勢の中に埋もれてしまって、帯同経験に光があたるどころか、業務委託や直近の職歴なしといった点をマイナス方向にしか見てもらえないことがあります。そうなることを前もって知っていれば不必要に落ち込まずに済んだかもしれないと思います。

大手人材紹介会社を利用するメリットは、市場動向や転職活動の傾向を知ることができる点です。多くの求人票を見られるので、職種ごとに、求める人材、経験、スキル等がわかります。それらを理解したうえで利用することはおすすめですが、やはり駐在妻ならではのスキルやキャリア志向をよくわかってくれるCAREER MARKのようなところを利用するほうが内定に繋がると思いました。

迪化街は観光客にも駐在者にも人気です

渡航前のキャリアは途切れない

——現在の会社へは同僚の方の紹介がきっかけで入社されたそうですね。

 

I渡航前の元同僚に紹介してもらいました。その方が現在私が勤める会社に転職されていて、たまたまマーケティングポストを探していたのです。そこで話があり、リファラル面談から選考を受けました。私がどういう人物でどんな仕事をしていたかを理解してくれたうえで話ができたので、働く仲間として接していただき話が弾みました。

日本にいたときの私の働き方に良い印象がなかったら、元同僚も繋いでくれなかったと思います。また、スキルだけでなく人との付き合い方なども見てくれていたのかなと思います。

 

——これまでのあらゆる経験や仕事への向き合い方は決して無駄にならない、渡航前のキャリアは途切れないんだなとお話を聞いて思いました。

 

I:そう思います。帯同はブランクではなく、すべて帯同前の自分から地続きなのかもしれないですね。こんなふうに振り返って言語化する機会をいただいて、とてもありがたいです!

 

——再就職できた理由について、ご自身ではどうお考えですか?

 

I:大きなポイントは正直、日本にいたときの経歴を評価してもらったことだと思います。私の場合、日本ではずっとマーケティング業務に就いていました。帯同中の仕事は人事戦略コンサルティング業務でしたが、帰国して再就職するときは、やはりマーケティング業務に関わりたいと思い転職活動をしていたので、結果的に日本での経歴に焦点を当ててもらいました。また、帯同中の経歴よりも日本で働いていた期間のほうが長いので、渡航前の経歴が重要視されやすかったという点もあると思います。

 

——会社が聞きたいのは「何がしたいですか」「何ができますか」の2つ。駐在妻でもそうでなくても、転職活動中ならこれは誰にとっても同じですね。

 

I:そうなんです!私の場合は面接で帯同中の生活に話が及ぶことは残念ながらありませんでした。それよりも「何がしたいですか」「何ができますか」「どういう風に仕事に向き合っていますか」と聞かれることが多かったです。私にとっては、人生の一つ前のステージである「日本にいたときのこと」をこんなに聞いてくれることが嬉しかったです。私の過去にも興味を持ってくれる、渡航前のキャリアが過去の遺産で終わらなかったんだ、と思いました。


——頑張った過去や、培った人間関係が次のステージに導いてくれたということですね!Iさんのこのお話は、今まさに駐在帯同生活中の多くの方に勇気を与えてくれると思います。

今の職場は週3出社・週2在宅。働き方も変わりました。

駐在帯同生活で伸びるスキルとは

——帯同経験が帰国後の就労にプラスになったと感じますか?

 

I感じています。帯同中の就労が直接的に評価されたかはわからないのですが、ビジネス感覚を持続できていたことは、面接時の受け答えに活かされたと思います。

また、帯同中は日本で仕事していたときとは全然違うスキルを使っていたと思うので、私自身のベースとしてすごくスキルが上がったなと感じました。海外の新しい環境に飛び込み、情報を集めて整理して、初めてのことに挑戦して、トライ&エラーを繰り返して。既に帯同生活自体が一種の転職のようなものという感じではないでしょうか?

 

——確かに、駐在帯同でこれまでと全く違う環境に飛び込んで、1人の人間として生きる中で、苦しんだり、悩んだり、そういう葛藤での中で獲得できる「人間力」とも言えるものがありますよね。
実はそういったスキルは「コンセプチュアルスキル」と言われています。
企業は、PCスキル、語学力、商品知識等の専門スキルなどの「テクニカルスキル」と呼ばれる成果に直結するスキルに着目しがちなのですが、帯同生活で得られるのは柔軟性やチャレンジ精神、課題解決力、そしてグローバルに物事を考えられる視野の広さなどの「コンセプチュアルスキル」です。このスキルも仕事に活かせますよね。
 

I:はい。そうだと思います!コンセプチュアルスキルが上がったことによって、元々のテクニカルスキルの発揮の仕方が大きく変わってくると思うんですよ。スピードも上がるし、広がりも持たせられると思います。一見、テクニカルスキルは伸びているようには見えないかもしれないですけれど、それを発揮するベースが上がっていると感じています。

 

——「ベースが上がる」という感覚、まさに人間として成長されたのですね!
「視座が上がる」とも言いますが、帯同生活を経て、物事を見る姿勢や捉え方のレベルが高くなったのでしょうね。

 

ちょっと専門的な話になるのですが、成人発達理論では、人間の成長には横軸に伸びる「水平的発達」と、縦軸に伸びる「垂直的発達」の2軸があると定義しています。(図1)


「水平的発達」は業務知識などテクニカルスキルが伸びていくことで、「垂直的発達」はものの見方や考え方の枠組みが変わる、というイメージです。
そしてこの縦軸の「垂直的発達」は葛藤があったときに伸びると言われています。

駐在帯同のようなこれまでにない環境では、葛藤の中で物事の見方や考え方を柔軟に変化させながらみなさん過ごしていると思います。その経験が人としての成長を促しているのです。しかも視座が上がる、つまり、人間力やコンセプチュアルスキルが伸びて垂直方向に成長していくと、もともと持っている横軸のテクニカルと併せて面が広がっていくのです。これがIさんが感じた「ベースが上がってもともとのスキルの発揮の仕方が大きく変わる」ということです。

成長をとらえる2つの着眼点

 

(「成人発達理論で解き明かす若手の挑戦と成長」高城明子氏執筆、パーソル総合研究所2019年)

https://rc.persol-group.co.jp/column-report/?writer=akiko_takagi


I
なるほど!本当にそうです!縦軸が伸びていることには、自分ではなかなか気づかないですし、その渦中にいるときは意識もしていませんでした。自分の棚卸しをしたことで、それに気づけたと思います。新しい会社に入った今、それをより実感できています。

 

日本での経歴も帯同中の経験も、棚卸し&言語化が大事

——渡航前の仕事の経験も、帯同中に得たスキルも、すべて今のIさんの仕事に活かされているということですね。

 

I:はい。経験社数が増えたこと、海外生活を経験したことにより、柔軟性と順応性、またチャレンジ精神や知的好奇心などは高まったと思います。海外生活では、たくさんの情報の中から、どれが大事か、どのレイヤーの話か、このケースには当てはまるのかなどを整理して、類型化するスキルが日々鍛えられていたと思うので、新しい会社の初動でも発揮しています。

 

また、帯同中にいろいろな価値観や文化の方と触れ合った経験から、分からないことに戸惑わなくなったし、最初はわからないのが当然だから焦らなくて大丈夫、と思えるようになりました。むしろ質問した方がいい、と帯同前より素直になれました。単に年齢を重ねることで視野が広がった面もあるのかもしれませんが、これも新しい会社で活かされています。

 

——再就職に向けてやっておくべきことは何だと思いますか?

I渡航前の職歴も、帯同中の経験も、どちらも棚卸しをして、言語化しておくと良いと思います。そしてそれらを、新しいフィールドにどのように繋げようとしているか、ということをしっかりと伝えられることが大事だと思います。


私は帯同中に別の職種を経験したことで、本当に自分がやりたいことに気付き、今後さらに磨いていきたい方向性もわかり、
自分の中で整理するきっかけになったと感じています。棚卸しをすることで帰国後にどういう仕事に就きたいのかということも見えてくると思います。そのためにも、帯同中でも帯同後でもいいので、職務経歴書を書いてみると良いかもしれません。

——Iさん貴重なお話をありがとうございました!

駐在妻の再就職にとって大事なのは、自分のどの部分を強みとしてアピールしていくかだと私たちも考えています。

渡航前の職歴と帯同中の経験を、客観的に、市場評価も交えて、棚卸しして言語化できている人は再就職市場でも強いと言えます。今、まさに帯同中の方にはご自身の経歴の棚卸しと言語化にぜひ取り組んでみてください。棚卸しと言語化のサポートもCAREEAMARKでは行っていますので、お気軽にご相談ください。

【1on1キャリアサポート】

駐在帯同経験のあるキャリアコンサルタント・キャリアメンターが「個別相談」「強み発見」「履歴書・職務経歴書の添削」などを1対1で行います。駐在帯同前から本帰国後まで、いつでも、世界中どこからでも、オンラインでご利用いただけます。

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※リファラル…従業員の知人・友人などを、採用目的でヘッドハンティングするリクルーティング活動のこと

※コンセプチュアルスキル…知識や情報など複雑な事象を概念化し、抽象的な考えや物事の本質を理解するためのスキルで概念化能力ともいわれる

 

 

文:CAREER MARKインターン5期 小塩奈緒

インタビュー・文責:CAREER MARK 小橋友美

 

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家事・育児以外の「何かある」が私には必要

もと駐在妻の再就職リアルストーリーVol.7(前編)

パートナーの海外駐在によって仕事をやめて日本を離れた女性たち。「駐在妻」と呼ばれる彼女たちのなかには、帰国後にまた仕事に戻る方もたくさんいます。

今回は、駐在帯同中に就業し、様々な葛藤を経て帰国後に希望の業務で再就職をしたある方のリアルストーリーをご紹介します。帯同中に働くことのやりがいや苦労、帰国してからの転職市場での評価など、貴重なお話をたくさん伺いました。


❖リアルストーリーVol.7後編

「渡航前の仕事も、帯同中の活動も、すべてが今につながっている」はこちら

 



Iさんプロフィール
2005年 大手通信会社に入社、流通事業部にてPC商材のルート営業、営業企画を担当
2008年 大手教育系出版社に転職、通信教育教材のマーケティング・営業を担当
2018年9月 台湾駐在帯同のため退職
2020年8月 戦略人事コンサルティング会社で業務委託開始
2022年3月帰国 
同年9月スモールビジネス向けのクラウドソフトウェア会社にマーケティング担当として入社

 

 

家事・育児以外の「何かある」が私には必要

——日本に本帰国され、再就職活動をされていましたね。ついに内定とのこと!おめでとうございます。新しいお仕事はいかがですか?

 

Iさん(以下、敬称略):入社して1ヶ月半がたち、慣れてきたところです。会社によって業務の流れやカラーが違うと感じつつ、仮説検証しながら自分を調節している段階です。徐々にプロジェクトにも参加させてもらっています。

 

——まずは、駐在帯同が決まったときの気持ちをお聞かせください。大手企業2社でキャリアを積んでいらした中でパートナーの台湾赴任が決まったそうですね。すぐに受け入れられましたか?

 

I:帯同のために仕事を辞めることは結構迷いました。当時はアジア圏に興味を持ったことがなく、帯同に乗り気でなかったということもあります。結局、辞めて帯同しましたが、帰国したらまた働きたいと思っていたので、台湾でも何かしたいという思いがありました。
台湾入国時、空港で入国カードの職業欄に“無職”と書いたとき「あ〜無職なんだ、私」とショックだなと思ったことは今でも覚えています。社会に対して「〇〇している人」と言える何かが欲しいと強く思いました。

とはいえ、子育ても含めた海外生活をうまく運営していかなければいけないとも考えていました。もし海外でも働くとしたら、子育て・生活・人間関係のどれかが難しくなってしまうのでは、という思いもありました。身近にいた駐在妻のみなさんは仕事をしていないかたがほとんどだったので、その前提で物事が進んでいく状況でしたし。2,3か月ごとに揺れ動く心理状態でした。

 

——「何か」したい、でも帯同中は難しい、と悩んでいたわけですね。

 

I:悩んでいましたし、それを共有できる友人に出会うまでに時間がかかりました。日本で生活していたときにははだいたい同じような価値観、境遇の方が周りにいましたが、海外で新しく知り合う方はバックグラウンドが全く分からないこともあって、「帰国したらまた働くの?」とか、キャリアについてはいきなり話題にしづらくて。

 

——いきなりママ友にキャリアの話はしづらいですよね。Iさんにとって「○○している人」でいることが、アイデンティティに繋がるということでしょうか。

 

I:はい。専業主婦になり自由な時間はすごく増えたけれど、手作業系の趣味があるわけでも、丁寧な家事に精を出すタイプでもなく・・・ただテレビを見て過ごすだけの時間もあって。最初はその時間も楽しかったのですが、段々と自分に呆れてきて「私はここで何しているんだろう?」とモヤモヤして・・・。

私の場合、仕事、家事、子どもと接する時間、いろんな時間がそれぞれにあるくらいが精神的に平和でいられるということを、仕事を辞めたことで再確認しました。子どもはいずれ自分で生きていけるようになって欲しいですから、当然手は離れていきますよね。「私自身の人生」について考えたときに「自分自身から出てくるもので社会と関わって何かしたい」という気持ちがはっきりしました。

駐在帯同前、職場へ挨拶に(育休中)


仕事の話ができることが楽しい

——帯同中の就労先はお友達の紹介だったそうですね。すぐ「働こう!」と思ったのですか?

 

I:日本にいる中学・高校の同級生からの紹介でした。「絶対やろう!」とすぐには思えなかったのですが、タイミングがよかったと思います。中国語の語学学校へ通い始めて9か月ほど経った頃だったのですが、子どもの長期休みやコロナなどで学校に行けなくなってしまって、これからどうしようかな、と考え始めたときだったので。とはいえ、紹介してもらった仕事は業種としても職種としても経験がなく、正直迷いました。

でも、友人が私のことを「仕事したい人」と思い出してくれたことが嬉しかったですね。友人と久しぶりに話をして、紹介してもらった会社の創業者の方とオンラインミーティングをしていくうちに気付いたんです。子どものことでもなく台湾のことでもなく、仕事の話ができるのはやっぱり楽しい自分の時間とリソースの中に「仕事」という時間が増えるのは嬉しいことだなと。

 

——経験がなければベンチャー企業で働くことにためらう方も多いのですが、就労を決めた理由は何だったのでしょうか。

 

I:ベンチャー企業といっても当時はまだ創業者二人だけで、友人から人柄も含めて紹介してもらえたので、安心感がありました。日本にいたときと全然違う仕事になってしまったのですが、台湾にいながら何かしら「仕事」ができるだけでもいい!と思いました。子どもがいる状況も理解してくれて、その上で「一緒にどう?」と言ってくれる人たちがいて、フルリモートで仕事ができる環境もある。これはすごく幸運なことなんじゃないかと感じて、就労を決めました。

 

——実際に働いてみてどうでしたか?大変だと感じたことはありましたか?

 

I:帯同中に仕事をすることに対して、周囲のママたちからどのような目で見られるのかが気になりました。会議が入っていて幼稚園のボランティアに行けない時も、「仕事だから」とはなかなか言いづらくて。

子供の学校のPTAの役職決めでは、勤務先からの就労証明書を出して考慮してもらっていましたが、「あの人、仕事してるって言うけど帯同中だし、ランチとかには来てるよね」と快く思わない人もいるのではと気になったり。事実仕事があって、昼間に用事をいれた日は夜間や早朝に仕事をしているだけなので虚偽の申請をしているわけではないのですが、全員が理解してくれるわけではないと思いますし、自分の性格上、いろいろ気にしてしまうことはありました。

 

——駐在帯同中ゆえの難しさかもしれませんね。CAREER MARKでも同じような悩みを聞くことがあります。同じ立場ならわかりあえると思うのですが、近くに仲間がいるとは限らないですしね。でもIさんの話を読んで「あ、私も同じ!」とほっとする方は世界中にいらっしゃると思います。

 

台湾の古都・台南にある昔ながらの街並

フルリモートで働いてみて感じたこと

——フルリモートで働いた感想を聞かせてもらえますか?


I:フルリモートでもコミュニケーション上は問題ありませんでした。便利な新しいツールがどんどん増えているので、その波に乗れて、新しいツールに触れられる機会を得られたことにもとても感謝しています。

ですが、会社の仲間と話すのがリモート会議の場面だけとなり、その姿しか見られないとその人の本質を捉えることがとても難しいとも感じました。もしオフィスで週5で会っていたら、ちょっとした雑談中に話が拡がり、この人はこういう考え方をする傾向にあるんだな、など把握できますよね。それがフルリモートでは削られてしまうので。


——フルリモート勤務での時間管理について工夫していたことはありますか?

I:スマホで全業務ができる状態だったので、やろうと思ったらいつでも、いつまででもできてしまうのですが、「子育て中のため連絡がつかない時間がある」「いつもすぐ返信できるとは限らない」と、あらかじめお伝えしていました。それに対してネガティブな反応は全くなかったです。創業者もその他のメンバーも時差のある地域に住んでいたこともあり、みんな手が空いたときの最速でリアクションしてくれればいいよ、というスタンスでした。これが私にとっては助かりました。

台南の大学にある大きなガジュマル。昭和天皇が植樹したそう。


「いつかまた働こう」という思いを持ち続ける

——現地でできることをやろうとする気持ちと働きたいという気持ち、そのバランスに迷う方も多いと思います。最終的に仕事に重点を置こうとしたのはなぜでしょうか?

 

I:将来に繋がるような何かをしなきゃと思う気持ちもとてもよくわかります。私自身そう思って悩み、中途半端な状態でいたので。語学学校にも通いましたが、中国語を仕事に活かせるくらいまでがんばろうとまでは思いませんでした。カルチャースクールに行かれる方もいて現地ならではの経験を楽しんでいるのもうらやましかったですが、私は何か突き詰めるほどのものには出会えず、そういう自分を改めて認識したのも帯同生活がきっかけだったと思います。

仕事に関して言えば、いずれまた働きたいなら、それに向けて具体的な何かをすることだけではなくて「いつかまた働こう」という思いを持ち続けるだけでも未来は変わってくるのではないでしょうか。現地でしかできないことをたくさんやっていたとしても、その思いを持っていれば、たとえば面白そうなWEBセミナーがあった時は単発でも参加しようと思いますよね。時間としては短くても、細くても長く「仕事に繋がる意識を持ち続けること」、これをしておくとよいのかなと思います。

 

——本当にそう思います。「アンテナを立てておくこと」は大事ですよね。
駐在帯同中に就労したことで帰国後の再就職活動はスムーズに進んだのでしょうか?

 

I:それが…帰国後エージェント登録して転職活動を進めましたが、ことごとく書類で落とされてしまって、かなり落ち込みました。


Iさんの帰国後の再就職については、次回投稿につづきます。

 

 

 

文:CAREER MARKインターン5期 小塩奈緒

インタビュー・文責:CAREER MARK 小橋友美

 

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世界を繋ぐ!キャリアコラボセミナー第2回 中国・上海「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」後編

「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」キャリアコラボセミナーレポート前編では「駐在妻は再就職に不利かどうか」「女性の再就職の最新動向」についてお届けしました。前編はこちらから。

今回は「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」後編です。
最後に、次回コラボセミナーのご案内も掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

 

 

3ヶ月後に本帰国!?今からやっておきたい準備について

やっておいた方がよい3つのこと

お二人から、本帰国が決まったらやっておいた方がよいことについて教えて頂きました。まだ本帰国が決まっていない方も今のうちから準備しておくとよいかもしれません。

  1. 自分のキャリアの棚卸し
    時間がある駐在帯同期間だからこそ、じっくりと自分のことを分析し、これまでやってきたことを整理して、丁寧にキャリアの棚卸しを行いましょう。そうすることで、新たな自分に気付くことができ、転職活動のプラスになることも多く、自信にも繋がります。また、早めの段階で行うことで、いざ転職活動をしようと思った時にすぐ活動できるメリットがあります。
  2. 職務経歴書の作成
    これは是非とも作成してください!駐在帯同期間中に過去の職務経歴について忘れてしまうこともあるので、特に初めて転職活動をされる方は時間がある時に書き始めた方がよいと思います。また、時間をかけて職務経歴書を更新していくことで質の高い職務経歴書に仕上がっていきます。
  3. 求人票のチェック
    “求人票を見る=マーケティング”です。業界や業種・職種ごとに求めている傾向が掴めるだけでなく、自分がどんなことをしたいか、したくないかという自己理解にもつながるメリットがあります。また求人票のチェックをする際、転職エージェントに登録をすることで、自分に合うエージェントを見つけやすくなるので、登録することもおすすめです。

エージェントの選び方、付き合い方

はじめて転職活動をする人には難しいと感じる転職エージェント選びについて、このようにアドバイスを頂きました。「エージェントにもママ向けに特化していたり、手広く求人を提供していたり、と強みがそれぞれにあります。自分に合ったエージェントとは自分がやりたいことにあった求人を提供してくれるエージェント。そのようなエージェントと出会うためにも、複数登録したほうが良いです。」

登録したエージェントによっては「転職は厳しい」と言われることもあるかもしれません。しかしそれはエージェントに登録している人が第2新卒や20代男性メインだからという可能性もあります。そのような時は「エージェントのターゲット層が違うだけ!私たちが持っている強みがマッチしていなかっただけ!」と前向きに捉えることも大事だそうです。

「コンサルタントの経験にも違いがあるし、一度や二度エージェントから『あなたは無理』と言われても落ち込まなくて大丈夫!」と小百合さんは力強くおっしゃってくださいました。これから本帰国して転職活動を始める予定の私たちとしてはとても心強い一言です。

林からは「CAREERMARKの提供する人材紹介は、駐在帯同経験があることを理解している会社からの求人なので、その時点で双方の最初の一条件はマッチしている」と紹介がありました。確かに、そういうエージェントだと前向きな気持ちで登録ができていいですね。

 

応募書類のブランクの書き方

自分で自分を“ブランク人材”だとアピールしないで

林は「帯同生活を自分でブランクにしないでほしい」と力強いアドバイスのあと、続けてこのようにコメントしました。
「多くの駐在妻があえて帯同期間中のことを何も書かないで、自分を“ブランク人材”だとアピールしていることがあります。これは非常にもったいない。“履歴書=資格”と思っている人も多いですが、資格だけじゃないです。ボランティアや語学学習、ブログを毎日書いた等、とにかく自分がやりたいと思ってやったことをぜひ書いてもらいたいです。それに知り合いもいない海外の新しい環境に飛び込んで、生活をゼロからスタートさせた経験はそれこそマネージメント力と情報収集力なくしてはできなかったわけですし、他の人が経験できないことを経験していると思います。そのようなことはぜひアピールして欲しいです。」

小百合さんからも同様に、「帯同期間中に何もしてないわけじゃないし、幼稚園の行事であるとか、セミナー受講であるとか、やりたいと思ったことをやったのであれば書いてよいと思います。また、異国で生活するというすごく大変な経験をし、変化対応力がついていると思うので、そういうのはアピールしたほうが良いです」と、アドバイスをいただきました。

 

受講者からの質問コーナー

セミナー中には受講者からいただいた質問にも答えて頂きました。

 

①再就職の際は年収が100万程度下がることを覚悟したほうがいいと転職エージェントに言われました。実際どうなんでしょうか。

小百合さん・林:年収が上がるところを目指すことも可能ですが、下がる可能性があることは覚悟しておいたほうがいいと思います。
誰も駐在妻を責めているわけではなく、ライバルと並べた時の条件で年収が決まってきてしまうというだけです。何を優先したいのかが大事なので、そのことを念頭に置いて転職の条件を考えていくべきなのかもしれません。

②自分の職務経歴書が魅力的なのかを確認できるいい方法はありますか。また質の高い職務経歴書とはどういうものなのでしょうか。

林:職務経歴書を見て「うちの会社で活躍してくれそう」と人事側が思えたらそれは質の高い職務経歴書と言えますね。”いま企業側が求めているスキルがこの人にあるのか”、という点を人事は見るので、求人票を見て企業はどのような人材が欲しいのかを見定め、職務経歴書を書いていくことをおすすめします。

小百合さん:女性は自分のことを過小評価してしまいがちです。職務経歴書は自分の中で200%ぐらいで書いていいと思いますよ。それで世の中の評価トントンぐらいですから!

③本帰国して休職していた会社に復職予定。転職も視野に入れているのですが、再就職後の働き方で気を付けたほうが良いことはなんでしょうか。

林:日本で復職したうえで、“ここで働きたい”と思うかもしれないですし、“他のことがしたい”と決心がつくかもしれません。“仕事ってなに?日本の企業で働くってどんな感じだっけ?”と体験してみてから、自分はどうしたいんだろうと考える期間にしても良いかと思います。

小百合さん:もし転職を考えるのであれば、“何を実現するための転職にしたいのか”を意識した方がいいですね。いろいろな選択肢があるからこそしっかりと考えていくことが大事。日本での仕事に復帰後はしばらく浦島太郎みたいな状態になると思うので、慣らし期間と思って、アクセルを踏みすぎないことも大事ですよ!

 

④今後帰国したとしても、夫が再駐在の可能性があります。面接時に会社に言うべきでしょうか。

小百合さん・林:もし可能性がかなり高いのであれば、聞かれた際に正直にその旨を答えればいいでしょう。自分がその時に帯同するつもりかどうかが重要なので、そこは一度考えてみてくださいね。帯同するつもりがなければ、会社にあえて言う必要もないですから。

あとがき

駐在妻にとって必ず訪れる本帰国。転職を考えている方にとって、人事と転職エージェント、両方の視点からのリアルな話は、とても参考になったのではないでしょうか。「駐在妻だから転職が厳しい」のではなく、自分に合ったターゲットを選べば女性にとって今や追い風の転職市場。納得がいく結果を出すために、時間がある帯同期間中にしっかりと自分のキャリアの棚卸しをしつつ、やりたいことをやって、自分で自分の帯同期間をブランクとせずに、前向きに過ごしていきたいですね。

お知らせ

⌘本セミナーのアフタートークとして、小百合さん、林両名でインスタライブを行いました!
セミナーを通じて感じたこと・考えたことや、セミナー内で答えられなかった質問にお答えしています。CAREER MARKのInstagramで視聴できますので、セミナーに参加されなかった方もぜひご覧ください。
https://www.instagram.com/p/Cgi7NTBKdRC/
 
⌘今回ご登壇いただきましたさゆりさんの公式LINEアカウントは画像のQRからご登録ください。

 

⌘第2回コラボセミナーレポート前編はこちら

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第1回のコラボセミナーのレポートはこちら

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⌘次回イベントは1月開催予定!

「職務経歴書を作るうえでのFirstStep・ポータブルスキルの棚卸しセミナー(仮)」を2023年1月に予定しております。皆さんのキャリアの棚卸しに役立つ内容です。是非ご参加ください。詳細が決まりましたらご案内いたしますのでInstagram/Facebook のフォローをお願いいたします。



文・CAREER MARK インターン6期 杉野理央/小塩奈緒

世界を繋ぐ!キャリアコラボセミナー第2回 中国・上海「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」前編

2022年10月25日、「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」と題し、世界を繋ぐ!キャリアコラボセミナー第2回が開催されました。

今回、CAREER MARKキャリアコンサルタント林とともにお話いただいたのは、中国・上海在住のキャリアコンサルタント関小百合さんです。お二人が出会ったきっかけはCAREER MARKのイベント。当時上海駐在帯同が決定した小百合さんが参加してくださったことがきっかけで、今回のセミナー開催に繋がりました。

 

今回のセミナーのテーマは「駐在妻の再就職」。人事と転職エージェントの目線・キャリアコンサルタントの目線・駐在妻の目線からお話し頂きました。

「大丈夫」という楽観的なスタンスだけではなく、現実を見据えた上でどうしたらいいのか考えることを大切にしている点が似ているというお二人が、駐在妻の気持ちを理解しているからこそ、伝えたいリアルな現状を熱く語ってくださいました。

 

セミナーは、世界各国から90名近くの方々にご参加いただきました。多くの方に興味を持っていただいた今回のセミナーの開催レポートを2回に分けてお届けいたします。

 

 

【登壇者】

関小百合さん

国家資格キャリアコンサルタント/育休後アドバイザー

リクルートキャリアコンサルティングで法人営業を経験。社内表彰では年間MVP3回他27回以上受賞。また社内でワーキングママ初の年間優秀賞を受賞。その後、2021年フリーランスとしてキャリアコンサルタント&法人研修講師として独立。ワーキングマザー向けキャリア講座“キャリア戦略カレッジ”共同代表。2022年4月より中国・上海に駐在帯同し、現在は“キャリアカフェ上海”のスタッフとしての活動やボランティアイベントの開催を行っている。

 

 

林眞帆

CAREER MARK キャリアコンサルタント

IT企業にて10年以上、採用・人材開発に携わる。2015年、夫のイギリス赴任に帯同するため退職。イギリスではキャリアワークショップを多数開催し、キャリアカウンセリングやコーチングを通して女性のキャリア支援を行う。イギリス帯同中にCAREER MARK参画。2019年に本帰国、再び企業にて採用や人材開発に携わり、管理職も経験。その後再び40代での転職活動を経て、現在は新たなフィールドで採用や人材開発に携わりながら、CAREER MARKでのキャリア支援を行う。

 

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※CAREER MARKについてはこちら

 

駐在妻は再就職に不利かどうか

“駐在妻だから不利”ということはない

再就職支援の際によく聞かれる「駐在妻って再就職に不利ですか?」という質問に対して、小百合さん・林ともに「一概に不利とは言えない」と口を揃えます。

そもそも“駐在妻”というカテゴリー自体、転職市場には存在しないそうです。「駐在帯同されている方が自ら“駐在妻”というカテゴリーを作り、駐在妻だから自分はだめと判断してしまっていることがもったいないし、それ自体が不利なわけではないから意識し過ぎない方がいい」とのアドバイスに参加者の表情も少し明るくなったように感じました。

 

大事なのはどんな働き方を本当にしたいのか

ただ、不利な転職市場が明確にあることも事実。

林からは「転職活動は戦いのようなもので、1つのポジションをみんなで争います。例えば日系大手企業だと、元駐在員や20代の男性がライバルになる場合も。その時にライバルの条件が“転勤OK、海外駐在OK、残業OK”だと、もと駐在妻の女性が採用されるのが難しい場合も多いのは事実です」と転職事情の厳しい現実が語られます。

 

ここで大事なのは“自分がどのような働き方を本当にしたいのか”と立ち止まって考えてみること。

「前職と同じ年収、もしくはそれ以上のところで働きたいのか、ワークライフバランスを重視したいのか。バランスはライフステージによって変わってきます。優先順位についてまずは考えてみてほしいです。

小百合さんのメッセージが胸に刺さります。

 

女性の再就職の最新動向

女性の転職市場は追い風

「転職市場の風向きは全体的に良くなってきている」とお二人はお話しくださいました。最近ではリモートワークが進んだことによって、上手に時間を使い仕事することが可能になってきています。また「女性活躍」や「女性の管理職」という言葉もよく耳にします。全てが重なって女性の転職市場は追い風だそうです。

 

35歳の壁

また、お二人が同意していたのが転職市場における“35歳の壁”がここ数年でなくなったということ。

林は「3年前に帰国した時と今とでは転職市場が全然違うと感じる」と話してくださいました。小百合さんも、50代・60代の転職支援をした経験があり、実際に転職されていく人々をみて、同様のことを感じたとおっしゃっています。「職務経歴書をちゃんと書き込むことで年齢に関わらず転職はできるのだ」と力強くお答えくださいました。

 

そもそも“35歳の壁”とは、企業側がその壁を取り払えていないから存在する言葉で、ただその壁を乗り越えるだけのスキルがあり、それを伝えることができれば乗り越えることができるそうです。しかしそれと同時に、「“35歳”という年齢に拘っている会社でそもそも働きたいのか、を考えてみてほしい」とのお話もいただきました。確かに、働き始めた後に自分が辛いと思うような環境にならないかをしっかり見極めることも大事だと感じました。

 

役に立つスキルとは?

スキルでいうと「女性の管理職」を探している企業ではマネジメントスキルを持っている女性を積極的に求めている傾向にあります。ですので「マネジメント、または実際に管理職でなくともプロジェクトリーダーや主任など、何かしら経験されたことがある方はぜひ職務経歴書に書いてください」とのことでした。

 

それ以外にも帯同中にプロボノやボランティア等をされている方がいらっしゃったらその経験も積極的に職務経歴書に書いていくべきだそうです。「自分で『これは役に立たないから』『私事なので』と言って書かないことが1番もったいない」との言葉がとても印象的でした。

 

いま働き方や労働市場は大きく変わってきています。自分がどこまで拘って優先順位を精査して会社を選んでいくかで転職活動の幅も広がってきます。今回のお話をもとに自分にとっての優先順位について考え直し、転職活動に活かしていきたいと思いました。

 

 

以上、「駐在妻の再就職リアル 人事・転職エージェントの裏話」キャリアコラボセミナーレポート前編をお届けしました。働きたい駐在妻にとって気になるテーマ「本帰国後の再就職」について、とても貴重なリアル話が満載だったかと思います。

次回後編は「3ヶ月後に本帰国!?今からやっておきたい準備について」「応募書類のブランクの書き方」についてレポートさせていただきます!

 

お知らせ

⌘本セミナーのアフタートークとして、小百合さん、林両名でインスタライブを行いました!

セミナーを通じて感じたこと・考えたことや、セミナー内で答えられなかった質問にお答えしています。CAREER MARKのInstagramで視聴できますので、セミナーに参加されなかった方もぜひご覧ください。

https://www.instagram.com/p/Cgi7NTBKdRC/

 

今回ご登壇いただきましたさゆりさんの公式LINEアカウントは画像のQRからご登録ください。

 

⌘第2回コラボセミナーレポート後編はこちら

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第1回のコラボセミナーのレポートはこちら
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⌘次回イベントは1月開催予定!

「職務経歴書を作るうえでのFirstStep・ポータブルスキルの棚卸しセミナー(仮)」を2023年1月に予定しております。皆さんのキャリアの棚卸しに役立つ内容です。是非ご参加ください。詳細が決まりましたらご案内いたしますのでInstagram/Facebookのフォローをお願いいたします。

文・CAREER MARK インターン6期 杉野理央/小塩奈緒