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一度退職した会社へ再就職「新たな部署で希望の仕事に挑戦」

もと駐在妻の再就職リアルストーリーVol.5

パートナーの海外駐在によって仕事を辞めて日本を離れた女性たち。

「駐在妻」と呼ばれる彼女たちのなかには、帰国後にまた仕事に戻る方もたくさんいます。

以前の会社に戻るのか、別の会社を選ぶのか。

多くの駐在妻が悩むポイントをご自身の経験と意思で乗り越えた方のリアルストーリーを紹介します。

◆プロフィール◆

お名前:Yさん

年齢:36歳

2008年~2014年:アパレルメーカーにて販売

2014年~2015年:カナダ・トロントにてワーキングホリデー

2015年~2016年:アパレルメーカーにて営業アシスタント

2017年    :職業訓練校で半年間WEBデザインを学ぶ

2017年~2020年:アパレルメーカーにてWEB/EC担当

2020年~2022年:ドイツに駐在帯同

2022年~現在 :アパレルメーカー(前職と同じ)にてデジタルマーケティング担当(コンテンツ作成、web広告の企画立案、運用のサポートなど)

 

以前勤めていた会社に戻ったのは「仕事の幅を広げたいから」

――日本に帰国し、駐在帯同前に勤めていたアパレルメーカーの別の部署で再就職をされたのですよね。私もそうですが、以前の会社に戻るか、別の会社で働くか、という選択肢で悩む人は多いと思います。
Yさんはこの点についてはどのように考えていましたか?

Yさん(以下敬称略):以前の会社も別の会社も同列に考えました。休職ではなく退職だったということも大きいです。
帯同期間中も前の会社の人とは連絡を取っていました。今やっていることを話していたこともあり、求人についてちょっと聞いてみようかなという感じで連絡したのがきっかけです。
それと同時並行で人材紹介会社に登録しました。
1年半ほどブランクがあるし、人材紹介会社でどんな求人を紹介してくれるのか、フルタイムで戻れるのか、という疑問や興味もあって、両方の話を聞いて、進めてから決めようかなと思っていました。

 

――以前の会社に戻ったと聞くと帯同前の仕事と同じ部署に戻るような印象ですが、Yさんは違う部署(WEBマーケティング)に再就職されたのですよね。

Y:そうです。帯同前からWEBマーケティングの業務には興味がありました。
もともとはアパレルメーカーのECサイト運営の仕事をしていました。私は関わっていなかったけれど他の人がWeb広告の仕事をしていたため、なんとなく内容もわかっていました。
Web広告は以前から興味があり部署異動も希望していたのですが、部署異動は難しかったです。そのタイミングで駐在帯同が決まり、退職しました。
私の中ではWEBマーケティングは帯同前と違う業務ではあるけれど、全く違うわけじゃないという感覚でした。仕事の幅を広げたい、という気持ちが強かったです。

 

――ということは、慣れた仕事だから以前の会社に戻ったのではなく、帯同前からやりたかった仕事をやるためにそうしたということですね。
帯同前から仕事の幅を広げたいという思いがあったのですね。

Y:はい、これは帯同期間を経て、ということではなかったです。
帯同前の仕事で担当していた物を売るという業務はおもしろかったし、すごく楽しいと感じていたけれど、できる範囲が狭まってしまうと感じていました。
できることを広げる・深めるということができれば、付随してできることももう少しあるなと。よりおもしろい仕事ができそうかな、という気持ちがありました。


――再就職活動を経て、その想いが叶ったということですね。活動中、大変だったことはどんなことですか?

Y:以前の会社が私の希望業務の求人を出しているのを見て、連絡を取り、面接をしていただいて話を進めていました。
でも、100%決まるかはわからなかったので、人材紹介会社経由の選考も同時に進めていました。
人材紹介会社経由の求人は、採用側が、年齢的にも即戦力として経験者を求める場合、今までの実績をみられることが多いと感じました。帯同前には取り組んでこなかった業務にチャレンジしたかったものの、今まで3年くらいやっていたECサイト運営の求人を紹介されることが多かったです。
面接に進んだ求人も、メイン業務は経験のある業務で、プラスで新しく立ち上げるので自由にやってくださいというところでした。他に紹介されたのは、業務内容が経験のある業務のみに決まっているところが多く、以前と同じような業務内容よりもやっぱり仕事の幅を広げたいな、という想いがありました。

 

最終的に再就職先を決めたときは、どんな気持ちでしたか?

Y:仕事の幅を広げるということが優先だったので、以前働いた会社という安心感が決め手になったのかなと思います。
仕事の内容を変えて、さらに会社も変えるとなると、かなり不安だっただろうなと思うのですが、仕事内容は違えど前にいた会社に戻るので知っている人も多かったし、商材もわかっているし、そういった心強さ・安心感はあったと思います。
振り返ってみると、以前働いた会社と人材紹介会社経由の他の会社とを同時に受けたことによって、比較対象があり、自分の中での優先順位がわかりやすくなったと思います。

ドイツと言えばやっぱりサッカー!試合会場へ。

帯同中は自分の気持ちを再確認する貴重な時間だった

――帯同中にはWEBマーケティングの勉強をされ、その経験を活かしてリモートワークもされていたのですね。帯同期間を興味のあることを試してみる期間にしたいという思いがあったのでしょうか?

Y:そうです。
他の「再就職リアルストーリー」でも、興味のあることをやってみる期間とおっしゃる方を拝見しました。

お金はかかるけど、時間の制限はあまりなく、会社に所属しているわけでもないから、興味のあることをやりやすい期間かなと私も思います。

 

――勉強することは帯同前から考えていたのでしょうか。帰国してからの仕事に繋げたいと考えていましたか?

Y:帯同前からなんとなく思っていて、時間ができたし、何かやりたいなと思っていました。ロックダウンで半年くらいは外出もしにくかったし、家の中にいる時間も多かったので勉強しようかなと。日本の会社がやっている講座で、コロナ前は対面でしかやっていなかったものも、オンラインで受けることができました。
WEBマーケティングについてはなんとなく内容は知っているけど、自分に合うのか試しにやってみようかなという気持ちで勉強を始めました。
絶対に仕事に繋げたいというよりは、自分の中の再確認の意味もありながらという感じでした。

――リモートワークも勉強した内容に関連したお仕事を業務委託で行っていたのですね。どのようにして見つけたのでしょうか。

Y:クラウドソーシングサイトで探しました。結構案件があって、面接も受けました。案件は、内容によりけりで、WEB・EC関連は結構ある印象で、単発のものもあれば、継続して実施するものもありました。
リモートワークをすることに対して夫の会社の制限はなかったけれど、お金を稼ぐというよりは、経験値がほしいと思っていました。

 

 

――実際にやってみて、どのようなことを感じましたか?再就職後の仕事に活きていると感じますか?

Y:そう思います。勉強は座学としてできるけど、実際に手を動かしてみると違うことがわかりました。帯同中は週10時間程度の稼働でしたが、ベースの知識があったからこそ、今の仕事の中でもやりやすい面があると思います。
また私はもともと個人向けメーカーや小売など、BtoCの事業会社にしかいたことがなく、広告代理店のようなBtoBは経験がありませんでした。立場が違うとやり方も違うということを学べたと思っています。
やはり自分はBtoCの事業会社・メーカーに行きたいなという気持ちを再確認できました。
今後の仕事を考える上でも確認できたことは良かったです。

 

――帯同期間中には、ドイツ語の勉強もされていたそうですね。途中で対面授業からオンライン授業に切り替わり、モチベーションを保つことに苦労されたと伺いました。

Y:ドイツ語はある程度必要だったから「しなきゃいけない」という気持ちが強くあったかもしれないと思います。初めの2ヶ月は楽しかったけれど、再度ロックダウンになってしまって、1日3~4時間のオンライン授業を受けるのはけっこう大変でした。
他に受けていた人は移民の方が多く、「なぜドイツ語を学んでいるのですか?」と聞かれたら「ドイツで働きたいからです」というように目的を持って学んでいる方がほとんどでした。ある程度目的があってドイツ語を学んでる人たちの中に入ると、モチベーションの差も感じてしまって。
自分から進んでやりたい!ということじゃないと、なかなか続かないんだな、ということがわかりました。

マスクのラッピングが施された電車

再就職活動のカギは、「言語化」と仲間からのフィードバック

――再就職したのは4月からと伺いましたが、いつ頃から活動をスタートしましたか?

Y:帰国予定がわかったのが前年の12月初旬でした。もともとあと半年〜1年いるかの予定でしたが、翌年の2月末に帰ることが急に決まりました。
決まった次の日から本格的に動きました。
職務経歴書はすでにある程度形になっていました。2回くらい転職した経験があったのと、CAREER MARKのインターンをしていたこともあり、「早めに言語化した方がいい」というアドバイスを聞いていたので。

 

――帯同中から少しずつ準備をしていたのですね。

Y:ちょっとずつ時間があるときに作っており、時間があるときにブラッシュアップするようにしていました。
職務経歴書の準備ができていると、急に本帰国が決まっても、人材紹介会社にすぐ登録できたので、スタートダッシュはかけやすかったと思います。
帰国が決まってから、CAREER MARKの1on1キャリアポートを受けたのですが、ほぼできていた職務経歴書のチェックと、自分の方向性・想いの確認を目的にしました。職務経歴書の内容や自分の強みなどを人に話すことで、整理できたと思っています。

 

――1on1キャリアサポートのようなサービスを利用する際に目的を明確にしておくと、より有効に活用できそうですね。今までのご自身の仕事内容の言語化は、具体的にどのように進めていましたか?

Y:以前にCAREER MARKのセミナーで、言語化した方がいいよというのを聞いて、スプレッドシートに今までの業務内容を書いて、やってきたこととその時どう思ったかを羅列していきました。
細かいかもしれませんが、例えば何か資料を作るときにも、「この資料を作った時にどう思っていたか」を箇条書きでスプレットシートに書いたりもしました。
それから、日記という程ではないけれど、帯同期間は意外とあっという間に過ぎるので、1ヶ月ごとに1ヶ月の振り返りをしていました。「こう思った」「来月はこうしよう」というようなことを、思いついたときにメモしていました。
実際に、面接を受けた時に「今後どうしたいのか」と聞かれたとき、メモを見返すと話しやすくなりました。
これはCAREER MARKがきっかけになっていたと思います。
インターン活動や共同代表の鎌田さんとの中間面談、セミナーを聞く機会もあり、言語化は大事だと目にしてきたので、自分でもやってみようということでちょっとずつやっていました。

 

――CAREER MARKのインターンに参加して、得られたものもありましたよね。

Y:「言語化」ということを聞いていなければ、多分ネットで検索しても「言語化することが大事」ということは目につかなかったと思います。
インターン活動を通じて、ネットだけで調べても出てこなかったことがわかりました。鎌田さんとの中間面談やインターンの同期からフィードバックしてもらえることが多かったので、自分の強み、得意なことや好きなことを把握できたことは、今後働く上でもよかったかなと感じています。

 

――第三者から見た自分って、なかなかフィードバックをもらえる機会がないですよね。普通に働いていたとしても、明確なフィードバックがもらえないこともあります。

Y:そうですね。「こういうことが得意なんじゃない?」って言ってもらえたので、面接でも自分の強みを聞かれたときに、そういうフィードバックをもらっていると話しやすかったです。自分が、こういうことはちょっと苦手かな、ということも分かりました。
直接的に「再就職できたという理由は何ですか?」と聞かれると難しいけれど、こういったことの積み重ねなのかなと思いました。

ドイツの市場。三角屋根がかわいい!

「やってきたこと」+「学んだこと」でやりたい仕事を掴んだ

――駐在帯同が決まると、「これから私のキャリアはどうなるんだろう」と悩む方も多いと思います。でもYさんは自然体で興味があることに対してきちんと準備をされてきた印象を受けました。

Y:今回の再就職に限らず、これまでも、「今までやってきたこと」+「学んだこと」を伝えて転職活動をしてきました。
これまでの職歴もアピールしながら、それだけじゃなく「やりたいことも学んでいます」と伝えると、未経験の分野でもうまく選考が進んだことがありました。
こうしてこれまでやってきた経験があるので、帯同中も落ち込みすぎず「これまでの経験は今後も活かせるはず」「じゃあやりたいことを学ぶ期間にしよう」と思えたのかもしれません。
以前と同じ仕事をすることもいいけれど、どんどん新しいことをやりたい、できることを広げたい…そういう性格なのもあるかもしれませんね。

 

――帯同中に経験したリモートワークも、それまで実務としては未経験の内容でしたよね。

Y:はい、未経験の内容でした。
前職と少しだけ関係しているということと、その業務について勉強していた、ということで契約していただけたと思っています。たまたまタイミングが合ったのと、契約先の方が、実務経験がしっかりあるかということよりも、考え方を見てくれていたようです。
ここで面接を受けるときにも、準備していた職務履歴書を使うことができました。

 

――再就職活動を経た今、帯同生活全体を振り返ってどのように感じていますか?

Y:良かったかどうかで言うと、半々ぐらいかなと思います。海外に行ったから、考える時間ができた、という部分は良かったかなという部分ではあるし、もし行かなかったら行かなかったで、また別の道があったのかな、とも思っています。

 

――駐在帯同で「私のキャリアはどうなるんだろう」と悩む人も多いのですが、Yさんはむしろ再就職先を決める際のポイントを再確認され、帯同前からやりたかった仕事に就いたのですね。
自由にチャレンジできる帯同中だからこそ何がしたいか考えてやってみる。
そういう行動が新しい未来を開いてくれるというYさんのストーリーは、きっとこの記事を読んでいる方の励みになると思います。
最後に、これから再就職を控える駐在妻・もと駐在妻へのアドバイス、メッセージをお願いします。

Y:駐在帯同期間中はやってみたいことに挑戦できる期間だったと帰国してから感じています。やってみたことで自分の強みにできそうなことや苦手と感じることも把握できました。
仕事を辞めて帯同することは自分にとってやはり大きな出来事でした。
帰国してからまた働けるのか不安だらけの中でCAREER MARKの存在を知り「頼れるものがあるんだ」とほっとしたことを覚えています。自分ひとりで悩まずに、頼れるものに頼りながら進みたい方向性を見つけていけると良いのではと思います。

 

――Yさん、どうもありがとうございました!新しいお仕事でのご活躍を祈っています。


インタビュー・文:CAREER MARK インターン 4期 栗橋 由佳

文責:CAREER MARK 小橋 友美

 

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