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駐在帯同があったから選べた働き方「変化を恐れない自分に」

もと駐在妻の再就職リアルストーリーVol.3

パートナーの海外駐在によって仕事を辞めて日本を離れた女性たち。
「駐在妻」と呼ばれる彼女たちのなかには、帰国後にまた仕事に戻る方もたくさんいます。
そんな彼女たちは、駐在帯同期間をどう過ごしたのでしょうか。
3回目は、駐在帯同を経て新しい自分と新しい選択肢に出会えたある女性のインタビューです。

 

◆プロフィール◆※インタビュー時点
・お名前:久保田 友香さん
・年齢:39歳
・帯同前の仕事:不動産業界と財務会計業界で10年間正社員として勤務後、業務委託で税理士法人などから会計事務等を担当

・駐在帯同国:アメリカ合衆国(2018年10月~2020年11月)
・現在の仕事:大手メーカ―系列の不動産管理会社にて勤務(業務委託)

 

駐在帯同で身につけたタフさと寛容さ

――アメリカでの駐在帯同中は何をしていましたか?

 

久保田さん(以下敬称略):帯同前の経理の仕事を米国に駐在帯同したあともリモートで担当していました。
コロナ前に渡米したので、結果的に物理的な距離や時差がある中でのリモート勤務を先行して体験させて貰ったと感じています。

 

――帯同期間に培われたスキルはなんだと思いますか?

 

久保田:全部で4つあると思います。

①『建設的かつ楽観的思考』と、事前に調べつくす『用意周到』
②ダイバーシティーを受け入れる心
③現地で使える英語のフレーズ
④南米大陸の地理

アメリカの夜景とともに

①『建設的かつ楽観的思考』と、事前に調べつくす『用意周到』
帯同前も在宅ワークをしていましたが、実際に帯同先で.リモートワークをするにあたっては勤務時間ではなく成果物で評価されるようにしたいと考えました。そのため会社と話して成果物を定め、それを納品することで評価してもらえるようにしました。

米国では出先にWifiが無かったり、ハリケーンによる停電・デモなど、日本では起こりえない事がたびたび起きたり、時差がある、PCの環境設定がシステムに影響するなど、度々チャレンジングな状況に遭遇しました。

こうした状況を通して、人間が生活していれば、どの国に行ってもなんとかなるという『建設的かつ楽観的思考』と、事前に調べつくす『用意周到』を極めたと思います。

②ダイバーシティーを受け入れる心
人種や国籍の違いはもちろんですが、考え方もみんな違うということを受容できるようになりました。
誰でもみんなそれぞれの事情を抱えているということを理解できるようになり、自分と違う考えでも最初から遠ざけることはしないようにしよう、考え方が違う人でも機会があれば話してみよう、関わってみようという気持ちになりました。

こうした私自身の変化は対人スキルのレベルアップにつながったと思います。
質問や相談など、以前ならちょっと引っかかって聞きづらかったこともスムーズに聞けるようになりました。
また業務の合間のちょっとしたことにもいい影響がありました。先日仕事中に上司から「アイス食べる?」と言われたんですが、ランチ前だったので少し迷ったんです。
以前なら「いりません。」とだけ言って断っていたと思うんですが、せっかくだからとアイスを受け取って「なんで今アイスなんですか?」と聞いてみたんです。そうしたら、実はその上司は親会社の役員もされていて、ちょうど新製品開発のため色々なアイスのフレーバーを試しているとのことでした。
役員だったことも新製品のことも全く知らなかったので、やっぱりこうして最初からシャットアウトしてしまわずコミュニケーションをとることで広がる世界もあるんだなと実感したところです。

③現地で使える英語のフレーズ
④南米大陸の地理
このふたつは、やはり現地で生活したからこそのメリットですね。

駐在帯同があったから今の仕事がある

――帯同期間中に得られた新しい視点や価値観など、スキル以外に得たものはありますか?

久保田:まずは、駐在帯同があったからこそ今の会社との縁がありました
もともとは子どもが小さいのでフルリモートで仕事をしようと考えていたのです。でもこの会社の仕事内容や雰囲気を聞いて面白そうと興味を持ちました。
以前ならフルリモートでないから条件に合わないとあっさりスルーしていたと思うのですが、帯同中のいろいろな経験から、すべての条件が合わなくても興味があればまずは飛び込んでみようと思えるようになっていました。

次に業務連携の仕方です。
コロナ対策のため在宅勤務をしている社員のみなさんとの業務連携には、帯同中の経験が生かされています。
帯同中はビジネスチャットやZoomなどを使っていたので、リモートで仕事のやりとりをすることに抵抗を感じていません。
また、帯同期間中に対人スキルが上がったことでスムーズにコミュニケーションがとれるようになりました。

海外の生活はできないことばかりのスタートで最初はとても落ち込みましたが、そこで「がむしゃらにやるしかない」と切り替えて少しずつ生活基盤を整えました。
こだわりを捨てて未知のものにも飛び込んでいくという姿勢を身につけることができましたし、そうした自分の変化によって他の人にも寛容になりました。
こうした経験を通じて、以前なら考え方が違う人とのコミュニケーションにストレスを感じていたのですが、今は「こういう考え方の人もいるよね」と特に気にせずフラットにやりとりできるようになりました。
また、海外事業も展開するグループ会社の会話なども現実感があり、想像しやすいところは海外で住んでいたメリットだと思います。

子どもが小さい今だから働き方を選んで

――帰国されてからそれまでとは別の会社に入社されましたが、なぜでしょうか?

 

久保田:面白そうな職場だったからです。
実は本帰国して、当初はしばらくゆっくりしようと思っていたんです。
でもその矢先、駐在帯同を控えたCAREER MARKのスタッフの小橋さんと面談でお話しして、ワクワクしているのが伝染しました。
人生一度きり、新しい職場も見てみたいと思わせてくれました。

 

――いまは業務委託という働き方なのですね。

 

久保田:はい。子どもがまだ小さいため家族の時間も大切にしたいという気持ちと、不動産の専門知識を活かしたいという気持ちを両立させるため、現在は業務委託という働き方を選んでいます。
週○時間と契約で決めて、定められた業務を担当しています。

もともと、いかに効率よくして短時間で仕事を完了させられるかを考えるのが好きですし、正社員ではなくてもこれまでやってきた不動産と会計の経験を活かせるということで、今の働き方には満足しています。
今後は子どもの成長にあわせて正社員化も考えながら、より専門性を高めていきたいですね。

大切な子どもたち
――再就職の際のご自身のPRポイントは何でしたか?

 

久保田:担当の事務以外の知識があることですね。
不動産業界では営業担当はまだまだ男性が中心なのですが、私はこれまで営業や契約も担当してきたため希少な存在だと思います。幅広い不動産の知識や経験があることで、事務担当でありながら営業担当の仕事も理解でき、質の高いサポートができていると思います。


――再就職できた理由は何だと思いますか?

久保田:不動産と会計の知識だけではなく、駐在帯同中に度々経験したアクシデントを乗り越えてきたおかげで養われた「柔軟性」「コミュニケーション力」などでしょうか。

人生において無駄なことは何もない

――これから再就職を控える駐在妻・もと駐在妻へのアドバイス・メッセージをお願いします!

 

久保田:人生において無駄なことはなにもないと思っています。自身の大切な仕事を辞めて帯同する、まさに青天の霹靂と言える事態に遭遇し、心折れながらも諸外国の酸いも甘いも味わい尽くして逞しく生活したという事実は、とても貴重であり、自分自身の成長に繋がっているはずです。

海外でイチから生活を立ち上げて築き上げたという開拓力と生活に必要な情報収集能力、それからメンタルも、相当鍛えられてるはずです。さらに、現地で出産や子育てもしていたらさらにすごく大変な経験をしたでしょう。2倍も3倍もいろんな事に強くなっている、柔軟に寛容になっている、そう思います。そして、その磨かれたスキルはどんな会社でも必要な力だと思いますよ。
それを評価してくれる職場が必ずあると思いますので、ぜひ踏みとどまらずに出会いを探して欲しいと思います!

 

――久保田さん、どうもありがとうございました!

 

インタビュー・文:CAREER MARK キャリアコンサルタント 小橋友美

 

 

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