「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」キャリアコラボセミナーレポート前編では「駐在妻は再就職に不利かどうか」「女性の再就職の最新動向」についてお届けしました。前編はこちらから。
今回は「駐在妻の再就職のリアル 人事・転職エージェントの裏話」後編です。
最後に、次回コラボセミナーのご案内も掲載しておりますので、ぜひご覧ください。
3ヶ月後に本帰国!?今からやっておきたい準備について
やっておいた方がよい3つのこと
お二人から、本帰国が決まったらやっておいた方がよいことについて教えて頂きました。まだ本帰国が決まっていない方も今のうちから準備しておくとよいかもしれません。
- 自分のキャリアの棚卸し
時間がある駐在帯同期間だからこそ、じっくりと自分のことを分析し、これまでやってきたことを整理して、丁寧にキャリアの棚卸しを行いましょう。そうすることで、新たな自分に気付くことができ、転職活動のプラスになることも多く、自信にも繋がります。また、早めの段階で行うことで、いざ転職活動をしようと思った時にすぐ活動できるメリットがあります。 - 職務経歴書の作成
これは是非とも作成してください!駐在帯同期間中に過去の職務経歴について忘れてしまうこともあるので、特に初めて転職活動をされる方は時間がある時に書き始めた方がよいと思います。また、時間をかけて職務経歴書を更新していくことで質の高い職務経歴書に仕上がっていきます。 - 求人票のチェック
“求人票を見る=マーケティング”です。業界や業種・職種ごとに求めている傾向が掴めるだけでなく、自分がどんなことをしたいか、したくないかという自己理解にもつながるメリットがあります。また求人票のチェックをする際、転職エージェントに登録をすることで、自分に合うエージェントを見つけやすくなるので、登録することもおすすめです。
エージェントの選び方、付き合い方
はじめて転職活動をする人には難しいと感じる転職エージェント選びについて、このようにアドバイスを頂きました。「エージェントにもママ向けに特化していたり、手広く求人を提供していたり、と強みがそれぞれにあります。自分に合ったエージェントとは自分がやりたいことにあった求人を提供してくれるエージェント。そのようなエージェントと出会うためにも、複数登録したほうが良いです。」
登録したエージェントによっては「転職は厳しい」と言われることもあるかもしれません。しかしそれはエージェントに登録している人が第2新卒や20代男性メインだからという可能性もあります。そのような時は「エージェントのターゲット層が違うだけ!私たちが持っている強みがマッチしていなかっただけ!」と前向きに捉えることも大事だそうです。
「コンサルタントの経験にも違いがあるし、一度や二度エージェントから『あなたは無理』と言われても落ち込まなくて大丈夫!」と小百合さんは力強くおっしゃってくださいました。これから本帰国して転職活動を始める予定の私たちとしてはとても心強い一言です。
林からは「CAREERMARKの提供する人材紹介は、駐在帯同経験があることを理解している会社からの求人なので、その時点で双方の最初の一条件はマッチしている」と紹介がありました。確かに、そういうエージェントだと前向きな気持ちで登録ができていいですね。
応募書類のブランクの書き方
自分で自分を“ブランク人材”だとアピールしないで
林は「帯同生活を自分でブランクにしないでほしい」と力強いアドバイスのあと、続けてこのようにコメントしました。
「多くの駐在妻があえて帯同期間中のことを何も書かないで、自分を“ブランク人材”だとアピールしていることがあります。これは非常にもったいない。“履歴書=資格”と思っている人も多いですが、資格だけじゃないです。ボランティアや語学学習、ブログを毎日書いた等、とにかく自分がやりたいと思ってやったことをぜひ書いてもらいたいです。それに知り合いもいない海外の新しい環境に飛び込んで、生活をゼロからスタートさせた経験はそれこそマネージメント力と情報収集力なくしてはできなかったわけですし、他の人が経験できないことを経験していると思います。そのようなことはぜひアピールして欲しいです。」
小百合さんからも同様に、「帯同期間中に何もしてないわけじゃないし、幼稚園の行事であるとか、セミナー受講であるとか、やりたいと思ったことをやったのであれば書いてよいと思います。また、異国で生活するというすごく大変な経験をし、変化対応力がついていると思うので、そういうのはアピールしたほうが良いです」と、アドバイスをいただきました。
受講者からの質問コーナー
セミナー中には受講者からいただいた質問にも答えて頂きました。
①再就職の際は年収が100万程度下がることを覚悟したほうがいいと転職エージェントに言われました。実際どうなんでしょうか。
小百合さん・林:年収が上がるところを目指すことも可能ですが、下がる可能性があることは覚悟しておいたほうがいいと思います。
誰も駐在妻を責めているわけではなく、ライバルと並べた時の条件で年収が決まってきてしまうというだけです。何を優先したいのかが大事なので、そのことを念頭に置いて転職の条件を考えていくべきなのかもしれません。
②自分の職務経歴書が魅力的なのかを確認できるいい方法はありますか。また質の高い職務経歴書とはどういうものなのでしょうか。
林:職務経歴書を見て「うちの会社で活躍してくれそう」と人事側が思えたらそれは質の高い職務経歴書と言えますね。”いま企業側が求めているスキルがこの人にあるのか”、という点を人事は見るので、求人票を見て企業はどのような人材が欲しいのかを見定め、職務経歴書を書いていくことをおすすめします。
小百合さん:女性は自分のことを過小評価してしまいがちです。職務経歴書は自分の中で200%ぐらいで書いていいと思いますよ。それで世の中の評価トントンぐらいですから!
③本帰国して休職していた会社に復職予定。転職も視野に入れているのですが、再就職後の働き方で気を付けたほうが良いことはなんでしょうか。
林:日本で復職したうえで、“ここで働きたい”と思うかもしれないですし、“他のことがしたい”と決心がつくかもしれません。“仕事ってなに?日本の企業で働くってどんな感じだっけ?”と体験してみてから、自分はどうしたいんだろうと考える期間にしても良いかと思います。
小百合さん:もし転職を考えるのであれば、“何を実現するための転職にしたいのか”を意識した方がいいですね。いろいろな選択肢があるからこそしっかりと考えていくことが大事。日本での仕事に復帰後はしばらく浦島太郎みたいな状態になると思うので、慣らし期間と思って、アクセルを踏みすぎないことも大事ですよ!
④今後帰国したとしても、夫が再駐在の可能性があります。面接時に会社に言うべきでしょうか。
小百合さん・林:もし可能性がかなり高いのであれば、聞かれた際に正直にその旨を答えればいいでしょう。自分がその時に帯同するつもりかどうかが重要なので、そこは一度考えてみてくださいね。帯同するつもりがなければ、会社にあえて言う必要もないですから。
あとがき
駐在妻にとって必ず訪れる本帰国。転職を考えている方にとって、人事と転職エージェント、両方の視点からのリアルな話は、とても参考になったのではないでしょうか。「駐在妻だから転職が厳しい」のではなく、自分に合ったターゲットを選べば女性にとって今や追い風の転職市場。納得がいく結果を出すために、時間がある帯同期間中にしっかりと自分のキャリアの棚卸しをしつつ、やりたいことをやって、自分で自分の帯同期間をブランクとせずに、前向きに過ごしていきたいですね。
お知らせ
⌘本セミナーのアフタートークとして、小百合さん、林両名でインスタライブを行いました!
セミナーを通じて感じたこと・考えたことや、セミナー内で答えられなかった質問にお答えしています。CAREER MARKのInstagramで視聴できますので、セミナーに参加されなかった方もぜひご覧ください。
https://www.instagram.com/p/Cgi7NTBKdRC/
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⌘次回イベントは1月開催予定!
「職務経歴書を作るうえでのFirstStep・ポータブルスキルの棚卸しセミナー(仮)」を2023年1月に予定しております。皆さんのキャリアの棚卸しに役立つ内容です。是非ご参加ください。詳細が決まりましたらご案内いたしますのでInstagram/Facebook のフォローをお願いいたします。
文・CAREER MARK インターン6期 杉野理央/小塩奈緒